結婚相手の選び方

初めての記事は私が日頃、携わっている「婚活」について書こうと思います。

「婚活」とは文字通り「結婚相手を選び、探す活動」のこと。
祖父母世代や親世代はお見合い結婚や周囲のお膳立てもあり、ほとんどの人が結婚した時代でした。1980年あたりを境目に婚姻数は年々減少。日常を自然に過ごすだけでは結婚相手と出会いにくい世の中になってきています。

みんなが結婚していた時代と違い、多様性が認められるようになってきた背景もあり、人生の岐路において「結婚をする・しない」を自分で選択できるようになりました。
一方で、年齢や世間体にとらわれず生きられる自由が手に入ったけれど、「結婚しなくても本当に良いのか」と心のどこかで自問自答する人々も多い様に感じます。

また、結婚したからといって安泰ではなく、本当にこの人で良かったのだろうか?と感じながら結婚生活を送ることもあります。

私は婚活カウンセラー、つまり結婚相談所の仲人として「結婚」のご縁を結んでいます。婚活では、「お相手選び」をしながら結婚相手と出会っていきますが、最初から離婚するつもりで結婚する方はいらっしゃらないと思いますので、「唯一のお相手」を探します。ですから、「お相手選び」には相当なこだわりがあらわれますし、それぞれの価値観が色濃く反映されます。

よく、男性は「見た目」「年齢」、女性は「年収」「男性の清潔感」を重視すると言われますが、「婚活」の現場でもその傾向は否めません。このような目に見える条件だけではなく、価値観や結婚観、フィーリングも重視されます。

例えば、高年収の方と結婚すると生活レベルが上がるかもしれません。
「自分の理想の人を選べた」という満足感もある程度は必要かもしれませんが、唯一の人とのご縁は、本来は目に見える条件を除き、例えそれらが無くなっても、愛情を持ち続けられる人と結ばれたご縁が幸せな結婚と言えるのではないでしょうか。

また、お相手の目に見える条件に合わせることは、お相手の人生を生きることにもなり得ます。お相手の条件(スペック)はあくまでもお相手のもの。そこに自身を重ね合わせたとしてもその人の条件(スペック)を自身のものとして生きられる訳ではありません。
それは、自分とは違う人にひかれる、つまり補完し合う関係になりたいという希望とはニュアンスが異なるように思います。

中島みゆきさんの「糸」で謳われているように、結婚のご縁で結ばれた二人は縦と横の糸を織りなしながら徐々に「夫婦」となっていきます。重ね合わせるのではなく。
縦と横の糸は垂直の自立し合う関係だからこそ、一緒に織り上げていけるのではないかと私は考えます。

今は価値観が似ているように思えても変化のスピードが速い世の中、お互いに10年後、どのような価値観を持っているのか分かりません。
大切なのは、その条件は「自分らしく生きるため」に本当に必要な条件なのかをよく考えてみることです。

結婚は二人だけの事に留まりません。家族や子ども、家系のルーツも二人が織りなすタペストリーに彩りを添えていきます。

「ありのまま」居心地の良い夫婦になれるお相手はどのような方なのか。
「ありのままの」自分とは。あなたにとっての居心地の良い家そして安寧の日々とは。

つまり婚活は「お相手選び」ではなく「自分探し」なのです。

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