これからの幸せな働き方って?

これからは個の時代と言われるけど、そうであるならば一人一人の多彩な力が時に融合し、思いもよらないミラクルが起きたりするのだろう。企業ほどの柵もなく、もっと自由にその美しい共鳴を楽しむことが醍醐味になったりして。

4月から娘を保育園に通わせるようになって、久しぶりに仕事に打ち込める環境を手にした。この10年、フリーランスという立場でやってきたから余計にそう感じるのかもしれないけど、職業上の肩書きが年々曖昧になってきているなと思う。

最近では「何の仕事してるんですか?」という問いに本気で悩んでしまって、分かりやすく「お花屋さんです」とか、「フラワーデザインの仕事をしています」などと伝えているけど、実は全然しっくりきていない。確かに花や植物は扱っているのだけどお店は月に3日程しか開けていないし、いわゆるお花屋さん的なサービスもしていない。Instagramで私の活動を見てくださっている方は、なんとなくこのしっくりこない感じに頷いていただけるかもしれないけれど、初めて会う人に一言で伝える術がないんだよなぁといつもモゴモゴしてしまう。

そこで改めて考えてみたのだけど「何の仕事してる?」の返答は、別に職業の名でなくても良いんじゃないかと思い至った。

” 植物を身近な暮らしに取り入れて、私たちが幸せに生きてゆくためのお手伝い ” をしています。これでどうだろうか? 

相手は的外れな答えに拍子抜けしてしまうかもしれないけれど、自分的にはとてもしっくりくる。上記は私が人生のテーマにしていることであり、Listen to Nature のコンセプトでもある。花を売ったり、ハーブをブレンドしたり、庭の様子を投稿したり、渓流のせせらぎを録音したり。一見、それ仕事じゃないでしょ というものも含んでいるかもしれないけれど、個人的には賃金を得ることだけが仕事ではないのでは? と思っている。

社会に対してどんな光を放てるか、それも世の中に「仕える事」なのではないだろうか。世界を変えるとかそんな大袈裟な話ではなく、ささいな事であっても波紋のように広がって、いつかどこかで共鳴するだろう。そして結果的に喜びや金銭として、思わぬ形で返ってくるのであって(だから発信する内容はいつもポジティブなものでありたいなと思うのです)、目先のタスクにばかり囚われてしまっていては勿体無いなぁと個人的には思ったりする。

話がふわふわしてきたので戻すと、個人単位でコンセプトを掲げる意識を持ってみると結構楽しいかもしれない。「私って普段こういうことを考えていて、こうなるともっと世界は豊かになると思うんだよね!」と、いつでもはっきり挙手できる考えと勇気を持つと、それに共感してくれる人を見つけやすいし見つけてもらいやすい。それって最高に幸せな気持ちになれると実感している。そして同じ想いを持つもの同士が共鳴し合うと、一人では辿り着けないような場所へ到達することもできたりして……。

そんなことをふと感じたのは、先日、世界環境デーにちなんだオーガニックブランドのPRイベントにゲストアドバイザーとして呼んでいただいた時の出来事からだった。その日私はゲストの方々へお配りする花を束ねて、ドイツの精油ブランドprimaveraさんのオイルを使ったアロマテラピーのworkshopをすることになっていた。事前の打ち合わせで主催者側から、何かエシカルなひと工夫が欲しいと相談を受けたので、サスティナブルウェアブランドのWALANCE( https://www.wa-lance.jp/ )さんに花束を包むラッピングクロスにお洋服の残布を使うことができないかと、相談を持ちかけた。

WALANCEさんのナチュラルダイコレクションは、生地をインドネシアのバリ島で製作している100%ナチュラルな草木染めのもの。自然に任せた製品づくりには、日本の厳しい製品基準に適わない、いわゆるB品と呼ばれてしまう少しの色ムラやキズのある製品たちが生まれるそうで、そういった理由で商品になりえなかったお洋服達を新しい形に変えることはできないものかと、かねてよりディレクターの中村さんがお話ししてくださっていたこともあり、思い切って打診させていただいたのだった。

もうその時点でイベントまで1ヶ月を切っていてるタイミング。急な相談にも関わらず、真摯に向き合ってくださったことも感激なのだけれど、仕上がったクロスが想像以上に素敵で感激したのだった。

ふたつとして同じ染まり具合のない柔らかな草木染めのクロスは洋服からの裁断なので所々が継いであったりするのだけど、それがまたオンリーワンな感じで愛おしかった。当日は季節の花と共にアトリエの庭で新芽をふかせていたハーブたちも一緒に束ね、柔らかなそのクロスに包ませてもらった。草も花も、受け取ってくださったゲストの皆さんもすべてが柔和で嬉々として見えた。


このコラボレーション、企画から形になるまで終始綺麗にまとまって、出来上がったときには1が100になったようなミラクルを感じた。誰かと一緒に何かを作る時、それぞれの思惑が合致することばかりではないし、むしろすべてが上手くいくことって稀なんじゃないかと思うのだけど、今回のそれは両者がとても心地良く共鳴していたように思える。まるでお互いの音色に耳をすましながら上手に響き合えたような感動。だからこんなに心地良くて、想像以上のものが出来上がったのだろうと、そんなふうに感じられたのだ。

自分の音を捉え、相手の音に耳を澄ませ、美しいハーモニーに酔いしれる。

人それぞれの個性溢れる魅力的な能力が共鳴しあって、より良い社会を築くことができたなら、それはとても豊かでワクワクする未来であると思う。

Listen to Nature manami ooi
Instagram ( https://www.instagram.com/listen.to.nature/ )

“これからの幸せな働き方って?”への 8 件のコメント

  1. えんちゃん より:

    深く深く共感!(涙)
    肩書きで私もモゴモゴしてしまうけど、この記事を機に、自分の中でも腑に落ちる肩書きを考えることにする!そして、それを堂々と伝えれるようになる!ありがとう、まなちゃん気づきを。心に沁みる文面にぎゅっとなったよ。写真も嬉しい!

    • 大井愛美 より:

      えんちゃん、ありがとう!
      えんちゃんみたいに確固たる肩書きがあってもやっぱりそう思うことあるんだね。確かにえんちゃんのメイクレッスンは、メイクの技術はもちろんのこと、皆んなに自信と魅力を授けてくれる魔法のようなレッスンだと思ったよ。プラスアルファの部分が大きい! それが伝わる表現、見つけていきたいね!

  2. 優子 より:

    私も一言で職業を説明できず、いつもつらつらと話してしまっている人です・笑。
    ですが、根っことなる部分は同じでそこから派生しているんですよね。共鳴、水の波紋の言葉がすごくしっくり来ていて、今周りにいてくれる大切な人たちを思い浮かべた時に、私も同じように日々大切にしていることを伝えてきたことで、共鳴し合って繋がったご縁だと思いました。全ては自分の心が現実を作ると信じています。そこからまた新しい何かが生まれたら幸せすぎますね♡WALANCE さんとのコラボの話、素敵すぎました♡

    • 大井愛美 より:

      優子さん、コメントありがとうございます!
      優子さんのコメントをうんうん頷きながら拝見しました。共鳴って美しい言葉ですよね。walanceさんとのお仕事は、こんなふうに共鳴しながら世界が広がっていったら楽しいなぁと只々幸せな瞬間でした。相手と対等であること、リスペクトし合える関係であることも大切ですよね。

  3. TOMOKOFUJITA より:

    ステキな記事をありがとうございます!
    個の知識や経験、スキル、アイデアが融合すると、地球に優しく、過ごしやすい社会になっていくと思いました。そこには、職業や企業をこえたものがあるような気がします。
    ミラクルを楽しみにしています!
    私もミラクルの種を探していきたいと思います。

    • 大井愛美 より:

      TOMOKOFUJITAさん
      こちらこそ、温かいコメントをありがとうございます^ ^ 先日、たまたま集合意識の話になって、FUJITAさんのコメントを拝見しながら思い出していました。発端は小さな意識でも、それに共感する人が増えていくことで大きな力になるのですよね。私たちができることは小さなことかもしれないけれど、想いは大切にしなくてはですね!
      素敵な気づきをありがとうございます。

  4. はこびや。と名乗ろう より:

    素敵です!そして、共感しました「職業肩書き」問題。色々やってたりするから1つの肩書きにしっくりこないというのもあるけれど、すてきな発想に読んでいて、わたしも肩書きのヒント思いつきました!
    ありがとうございます。

    • 大井愛美 より:

      はこびや。と名乗ろうさん、共感していただきありがとうございます!
      同じように肩書きに困っている方がたくさんいらっしゃるのだと知って、なんだか嬉しいです。名刺を見て、「わ、面白そうなお仕事ですね!」って言われるようなナイスな肩書きを見つけたいですね^ – ^

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