僕らがシン・ウルトラマンを見る理由

詳細なネタバレは一切しませんが、
シン・ウルトラマンを見てきました。

何を隠そう、私は隠れウルトラファン。
小学生の頃、学校が終わったら速攻で帰宅し、再放送でやっていたウルトラシリーズを全制覇。
しかもTVの前には怪獣大百科とか怪獣関係の書籍を持っているだけ全部並べて、基本スペックを頭に叩き込みながら、観賞していた”ガチ”な人であります。

最新刊のPenのウルトラマン特集で知ったというのもあるけれど、実はウルトラシリーズはかなりの頻度で新作が世に出ているようでして。
ただ、もちろんtvがない私はそれらを追えていなかったりもするから最後にウルトラシリーズをみたのは上述の通り、レオのあとの80が最後。
年代で言うと1990年代初頭のことかもしれませんから、もう30年弱ぐらい前となります。

ちなみにそれ以降は私は全くウルトラマンの世界観には触れていないのだけれど、今回の”シンウルトラマン”は庵野さんの総監修作ということでどうにも見逃せない気がしていたので、封切り後、速攻で映画館に足を運んだという次第!
(きっと同世代にはそんな人たちも多いのだろうなと推察しますが)

*昔取った杵柄?ちょっと使い方が違うかもですが、今でも怪獣を見ればそらで名前を言えるぐらいの、なんならトレーナーをかぶって”ジャミラー”ってしたりとか、そんな芸当は軽くできるぐらいのウルトラ愛もあります 笑。
また、第二期(80以降)は見ていないという人もきっと同世代には多いのではないかと思うけれど、どうだろうか。

さて、今回は、そんなウルトラ GAPが30年ぐらいある元ウルトラ推しの私がシンウルトラマンを鑑賞してきた話を少々したいと思います。

もちろん上述の通りネタバレは一切なしで!

本題

今回のシンウルトラマン。
ネタバレできないということなので、エピソードには触れずに全体像をお伝えしていくこととしますが、全体の完成度はさすがのクオリティでした。
カメラのエフェクト(特撮っぽい感じ・クリアすぎない映像とかは特に!)
ストーリー展開・スピードには”賛否両論”はあれど、個人的には超絶に満足の出来でした。
特にCGで作られたウルトラマン・怪獣の滑らかな動き・スペシウムの描画・ゼットンの新解釈・オリジナルのウルトラマンに対するオマージュ・深い愛を感じる演出には脱帽。

また”同系列作品”ということで、シンゴジラも素晴らしかったけれど、あれよりももっと”ライトでポップ”に、且つ、重要なメッセージをとどけてくるところも最高でしかない!
しかも、シンゴジのときみたく”考えさせられる”のではなく、怪人とかに”語らせている”ところが非常に印象的で、鑑賞中から”メッセージソング”ならぬ、メッセージムービーだなと感じたりもしました。

ストーリー的には”ウルトラマン”のオリジナルを見ていない人には若干楽しめないかも?!とかも思ったりはするけれど、今風のガジェット、たとえばiphoneとか、当時と比べて圧倒的に発達している現代の装置・機器がでてくるところとかなどは今演じられるウルトラマンとしてはとてもナチュラルなしあがり。若い俳優さんたちにはとくにそういった”テック面”を多く語らせていて、世代間の違いみたいなものを描いているのも現代という時代の感覚をうまく切り取っていると感じさせられた。
また、訳のわからない技術用語、専門用語を多く語らせて”っぽい感じ”で作品の世界観というか雰囲気をつくりあげている(高尚な感じに仕立て上げている)のが庵野作品っぽいな、と!
そして、現代の人たちはyoutube等を1.5倍速で鑑賞することが多いことを鑑みてなのか(絶対違うと思うけれど)当時のウルトラマンの進行スピードの1.5倍ぐらいのスピードで画面が切り替わり、物語が進み、なんならスライド(人の説明とかも)も切り替わっていくところにも、スピード感の”現代化”を感じたりもした。

・・・
いや、結局、何が言いたいんだという感じもしないでもないですが、
12ハウスってそもそもパラレルな世界観のハウス。
だから、ウルトラマンの世界観ってめちゃくちゃパラレルなんですよ。
だから惹かれるし、だから現実逃避?できるし、
だから応援できるし、だから没入もできる。

子供がアニメにハマるとか漫画を読み漁るとか、
大人が歴史物語にハマったり、二次元、外国のドラマ・俳優・グループ・アイドルにハマるとか、
そういうのもきっと12ハウスのなせるわざ!

そうやって考えると円谷プロが得意とする特撮シリーズは、
実は日本が12ハウスをフルに生かし始めた起点となったものであり、
(他にもアニメとかジブリシリーズとか漫画とかいろいろありはするけれど)
ウルトラマンはその中でもオンリーワンの世界観をもつもの。

そして今年はウルトラマンの生誕57周年!
・・・ということはウルトラマン的にはサターンリターンを迎えているわけで、
あ、だからこんなふうに焼き直しがおきたのかなとか思うのです!!
と、まとめるのは、私が星の世界の住人だからでしょうか。

で、結局、なにを総論として言いたいかというと、この作品をみるときは”怪人の言葉”に注目せよ!というもので、怪人のメッセージこそが宇宙の(ウルトラ一族を含む)意思であり、また、今、人類はそういう分岐点にいるよということなのかなと思いました!
初代ウルトラマン放映当時は”高度経済成長”と”公害”をその時代背景に持つ時代。
そのため、”成長に伴い人間様化していく人間たち”に対する警鐘を鳴らす、そんなメッセージ・役割を負っていたのがウルトラマンという作品であったように思います。
でも、それでも止まらず、1娯楽作品として人はウルトラマンを消費してしまった。

そのため、また光の国から”サターンリターン”の時に、再度、
人類に警告を伝えにきたのが今回のシンウルトラマンではないかと、
今の地球の状況を鑑みるとどうにもそう思えてならないのです。

ウルトラマンは劇中ではいつも”人間がヤヴァイ状況に陥っている時”に助けに来てくれます。

・・・ということは、ウルトラマンが公開される、作品として封切られているということは、
きっと、”もういい加減ヤヴァイよ。ちょっと考えなよ”などと、
”この社会に対するアラート”が鳴らしてくれているとこの事象を捉えたとしても、
なんら不思議ではないのかもと、鑑賞を終えた今ならそう思えます。

そして、今回は”ただの娯楽作品”として消費するのではなく、重大な”ターニングポイント”にいることを深く刻み込むことが大事。そして、実際にアクションに落とし込んでいくことも。

あの時、ウルトラマンを見ていたのは少年たちでした。
でもそんな彼らも今はもうれっきとした大人。
なんなら社会に影響を与えることができる、そんなポジションにいる人だっていることでしょう。

今回、ウルトラマンから受け取った30年越しの本気のメッセージ(サタリタ)を自覚し、
人生、社会の舵取りを変えていく・・・。

それが、この光の国からやってきた人たちの望むところであり、意図であり、
”シンメッセージ”といえるものなのではないでしょうか。



“僕らがシン・ウルトラマンを見る理由”への 1 件のコメント

  1. shanae より:

    先月映画館でシンウルトラマンを観ましたが、yujiさんのこちらの記事を熟読してから観れば良かったなぁと、少し後悔しました。

    地上波で放送される際には、今一度こちらの記事でおさらいさせていただきます。

コメントする

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です